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内容
性腺外胚細胞腫瘍治療版
性腺外胚細胞腫瘍に関する一般情報
キーポイント
- 性腺外胚細胞腫瘍は、性腺から体の他の部分に移動する精子または卵細胞の発達から形成されます。
- 年齢と性別は性腺外胚細胞腫瘍のリスクに影響を与える可能性があります。
- 性腺外胚細胞腫瘍の徴候と症状には、呼吸障害と胸痛が含まれます。
- 性腺外胚細胞腫瘍を検出（発見）および診断するために、画像検査と血液検査が使用されます。
- 特定の要因が予後（回復の可能性）と治療の選択肢に影響を与えます。
性腺外胚細胞腫瘍は、性腺から体の他の部分に移動する精子または卵細胞の発達から形成されます。
「性腺外」とは、性腺（性器）の外側を意味します。睾丸で精子を形成したり、卵巣で卵子を形成したりする細胞が体の他の部分に移動すると、性腺外胚細胞腫瘍に成長する可能性があります。これらの腫瘍は、体のどこでも成長し始める可能性がありますが、通常、脳の松果体、縦隔（肺の間の領域）、または後腹膜（腹部の後壁）などの臓器で始まります。
性腺外胚細胞腫瘍は、良性（非がん）または悪性（がん）の場合があります。良性性腺外胚細胞腫瘍は良性奇形腫と呼ばれます。これらは悪性性腺外胚細胞腫瘍よりも一般的であり、しばしば非常に大きいです。
悪性性腺外胚細胞腫瘍は、非セミノーマとセミノーマの2種類に分けられます。非セミノーマは、セミノーマよりも急速に成長および拡大する傾向があります。それらは通常大きく、兆候や症状を引き起こします。未治療の場合、悪性性腺外胚細胞腫瘍は、肺、リンパ節、骨、肝臓、または体の他の部分に広がる可能性があります。
卵巣および睾丸の胚細胞腫瘍については、以下のの要約を参照してください。
- 卵巣胚細胞腫瘍の治療
- 精巣腫瘍の治療
年齢と性別は性腺外胚細胞腫瘍のリスクに影響を与える可能性があります。
病気になる可能性を高めるものはすべて危険因子と呼ばれます。危険因子があるからといって、ガンになるわけではありません。危険因子がないからといって、ガンにならないというわけではありません。危険にさらされていると思われる場合は、医師に相談してください。悪性性腺外胚細胞腫瘍の危険因子には以下が含まれます：
- 男性であること。
- 20歳以上であること。
- クラインフェルター症候群を患っている。
性腺外胚細胞腫瘍の徴候と症状には、呼吸障害と胸痛が含まれます。
悪性性腺外胚細胞腫瘍は、近くの領域に成長するにつれて徴候や症状を引き起こす可能性があります。他の条件でも同じ兆候や症状が発生する可能性があります。次のいずれかがある場合は、医師に確認してください。
- 胸痛。
- 呼吸の問題。
- 咳。
- 熱。
- 頭痛。
- 排便習慣の変化。
- とても疲れた。
- 歩行障害。
- 目を見るか動かすのに問題があります。
性腺外胚細胞腫瘍を検出（発見）および診断するために、画像検査と血液検査が使用されます。
次のテストと手順を使用できます。
- 身体検査と病歴：しこりやその他の異常と思われるものなどの病気の兆候のチェックを含む、健康の一般的な兆候をチェックするための身体の検査。睾丸は、しこり、腫れ、または痛みがないかチェックできます。患者の健康習慣や過去の病気や治療の履歴も取得されます。
- 胸部X線：胸部内の臓器や骨のX線写真。X線は、体を通過してフィルムに到達し、体内の領域の画像を作成できるエネルギービームの一種です。
- 血清腫瘍マーカー検査：血液のサンプルを調べて、体内の臓器、組織、または腫瘍細胞から血液中に放出される特定の物質の量を測定する手順。特定の物質は、血中のレベルの上昇に見られる場合、特定の種類の癌に関連しています。これらは腫瘍マーカーと呼ばれます。次の3つの腫瘍マーカーは、性腺外胚細胞腫瘍を検出するために使用されます。
- アルファフェトプロテイン（AFP）。
- ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン（β-hCG）。
- 乳酸デヒドロゲナーゼ（LDH）。
腫瘍マーカーの血中濃度は、腫瘍がセミノーマか非セミノーマかを判断するのに役立ちます。
- CTスキャン（CATスキャン）：さまざまな角度から撮影された、体内の領域の一連の詳細な写真を作成する手順。写真は、X線装置に接続されたコンピューターによって作成されます。染料を静脈に注射したり、飲み込んだりして、臓器や組織がよりはっきりと見えるようにします。この手順は、コンピューター断層撮影、コンピューター断層撮影、またはコンピューター断層撮影とも呼ばれます。
CTスキャンとPETスキャンが同時に行われることがあります。PETスキャンは、体内の悪性腫瘍細胞を見つけるための手順です。少量の放射性ブドウ糖（砂糖）が静脈に注入されます。PETスキャナーは体の周りを回転し、体内のどこでブドウ糖が使用されているかを画像化します。悪性腫瘍細胞は、正常細胞よりも活性が高く、ブドウ糖を多く吸収するため、写真では明るく見えます。PETスキャンとCTスキャンを同時に行う場合をPET-CTと呼びます。
- 生検：細胞または組織を切除して、病理医が顕微鏡で観察してがんの兆候を確認できるようにします。使用される生検の種類は、性腺外胚細胞腫瘍が見つかった場所によって異なります。
- 切除生検：組織の塊全体の除去。
- 切開生検：しこりの一部または組織のサンプルの除去。
- コア生検：幅の広い針を使用した組織の除去。
- 細針吸引（FNA）生検：細い針を使用した組織または体液の除去。
特定の要因が予後（回復の可能性）と治療の選択肢に影響を与えます。
予後（回復の可能性）と治療の選択肢は、以下によって異なります。
- 腫瘍が非セミノーマかセミノーマか。
- 腫瘍の大きさと体内のどこにあるか。
- AFP、β-hCG、LDHの血中濃度。
- 腫瘍が体の他の部分に拡がっているかどうか。
- 腫瘍が初期治療に反応する方法。
- 腫瘍が診断されたばかりか、再発したか（戻ってきた）。
性腺外胚細胞腫瘍の病期
キーポイント
- 性腺外胚細胞腫瘍が診断された後、がん細胞が体の他の部分に広がっているかどうかを調べるために検査が行われます。
- がんが体内に広がるには3つの方法があります。
- がんは、発生した場所から体の他の部分に広がる可能性があります。
- 以下の予後グループは、性腺外胚細胞腫瘍に使用されます。
- 良好な予後
- 中間予後
- 予後不良
性腺外胚細胞腫瘍が診断された後、がん細胞が体の他の部分に広がっているかどうかを調べるために検査が行われます。 がんの範囲または広がりは通常、病期として説明されます。性腺外胚細胞腫瘍の場合、病期の代わりに予後グループが使用されます。腫瘍は、がんが治療にどの程度反応すると予想されるかに従ってグループ化されます。治療を計画するためには、予後グループを知ることが重要です。
がんが体内に広がるには3つの方法があります。
がんは、組織、リンパ系、および血液を介して広がる可能性があります。
- 組織。がんは、それが始まった場所から近くの地域に成長することによって広がります。
- リンパ系。がんは、リンパ系に侵入することによって発生した場所から広がります。がんはリンパ管を通って体の他の部分に移動します。
- 血液。がんは、血液に侵入することで発生した場所から広がります。がんは血管を通って体の他の部分に移動します。
がんは、発生した場所から体の他の部分に広がる可能性があります。
がんが体の別の部分に広がると、転移と呼ばれます。がん細胞は、それらが始まった場所（原発腫瘍）から離れ、リンパ系または血液を通って移動します。
- リンパ系。がんはリンパ系に入り、リンパ管を通って移動し、体の別の部分に腫瘍（転移性腫瘍）を形成します。
- 血液。がんは血液に入り、血管を通って移動し、体の別の部分に腫瘍（転移性腫瘍）を形成します。
転移性腫瘍は原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。たとえば、性腺外胚細胞腫瘍が肺に転移した場合、肺の腫瘍細胞は実際には癌性胚細胞です。この病気は転移性性腺外胚細胞腫瘍であり、肺がんではありません。
以下の予後グループは、性腺外胚細胞腫瘍に使用されます。
良好な予後
非セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍は、以下の場合に予後良好群に含まれます。
- 腫瘍は腹部の後ろにあります。そして
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっていない。そして
- 腫瘍マーカーAFPとβ-hCGのレベルは正常であり、LDHは正常をわずかに上回っています。
次の場合、セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍は予後良好群に含まれます。
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっていない。そして
- AFPのレベルは正常です。β-hCGとLDHはどのレベルでもかまいません。
中間予後
非セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍は、以下の場合に中間予後グループに含まれます。
- 腫瘍は腹部の後ろにあります。そして
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっていない。そして
- 腫瘍マーカー（AFP、β-hCG、またはLDH）のいずれかのレベルが正常よりわずかに高い。
セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍は、以下の場合に中間予後グループに含まれます。
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっています。そして
- AFPのレベルは正常です。β-hCGとLDHはどのレベルでもかまいません。
予後不良
非セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍は、以下の場合に予後不良グループに属します。
- 腫瘍は胸部にあります。または
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっています。または
- 腫瘍マーカー（AFP、β-hCG、またはLDH）のいずれかのレベルが高い。
セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍には予後不良グループはありません。
治療オプションの概要
キーポイント
- 性腺外胚細胞腫瘍の患者さんにはさまざまな種類の治療法があります。
- 3種類の標準治療が使用されます：
- 放射線治療
- 化学療法
- 手術
- 新しいタイプの治療法が臨床試験でテストされています。
- 幹細胞移植を伴う大量化学療法
- 性腺外胚細胞腫瘍の治療は副作用を引き起こす可能性があります。
- 患者は臨床試験への参加を考えたいと思うかもしれません。
- 患者は、がん治療の開始前、開始中、または開始後に臨床試験に参加できます。
- フォローアップテストが必要になる場合があります。
性腺外胚細胞腫瘍の患者さんにはさまざまな種類の治療法があります。
性腺外胚細胞腫瘍の患者さんには、さまざまな種類の治療法があります。いくつかの治療法は標準的であり（現在使用されている治療法）、いくつかは臨床試験でテストされています。治療臨床試験は、現在の治療法を改善したり、がん患者の新しい治療法に関する情報を入手したりすることを目的とした調査研究です。臨床試験で新しい治療法が標準治療法よりも優れていることが示された場合、新しい治療法が標準治療法になる可能性があります。患者は臨床試験への参加を考えたいと思うかもしれません。一部の臨床試験は、治療を開始していない患者のみを対象としています。
3種類の標準治療が使用されます：
放射線治療
放射線療法は、高エネルギーX線または他の種類の放射線を使用してがん細胞を殺すか、がん細胞の成長を防ぐがん治療です。放射線療法には2つのタイプがあります。
- 体外照射療法は、体外の機械を使用してがんに向けて放射線を送ります。
- 内部放射線療法では、針、シード、ワイヤー、またはカテーテルに密封された放射性物質を使用します。これらの物質は、がんの中または近くに直接配置されます。
放射線療法の実施方法は、治療するがんの種類と病期によって異なります。セミノーマの治療には体外照射療法が使用されます。
化学療法
化学療法は、薬物を使用して、細胞を殺すか、細胞の分裂を阻止することによって、癌細胞の増殖を阻止する癌治療です。化学療法を経口投与するか、静脈や筋肉に注射すると、薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達する可能性があります（全身化学療法）。化学療法が脳脊髄液、臓器、または腹部などの体腔に直接行われる場合、薬は主にそれらの領域の癌細胞に影響を及ぼします（局所化学療法）。化学療法の実施方法は、治療するがんの種類と病期によって異なります。
手術
良性腫瘍または化学療法または放射線療法後に腫瘍が残っている患者は、手術が必要になる場合があります。
新しいタイプの治療法が臨床試験でテストされています。
この要約セクションでは、臨床試験で研究されている治療法について説明します。研究されているすべての新しい治療法について言及しているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのWebサイトから入手できます。
幹細胞移植を伴う大量化学療法
がん細胞を殺すために高用量の化学療法が行われます。造血細胞を含む健康な細胞も、癌治療によって破壊されます。幹細胞移植は、造血細胞を置き換える治療法です。幹細胞（未成熟な血液細胞）は、患者またはドナーの血液または骨髄から取り出され、凍結保存されます。患者が化学療法を完了した後、保存された幹細胞は解凍され、注入によって患者に戻されます。これらの再注入された幹細胞は、体の血球に成長します（そして回復します）。
性腺外胚細胞腫瘍の治療は副作用を引き起こす可能性があります。
がんの治療によって引き起こされる副作用については、副作用のページをご覧ください。
患者は臨床試験への参加を考えたいと思うかもしれません。
一部の患者にとっては、臨床試験に参加することが最良の治療法の選択かもしれません。臨床試験は癌研究プロセスの一部です。新しいがん治療が安全で効果的か、それとも標準治療よりも優れているかを調べるために、臨床試験が行われます。
今日の癌の標準治療の多くは、以前の臨床試験に基づいています。臨床試験に参加する患者は、標準治療を受けるか、新しい治療を受ける最初の患者の1人になる可能性があります。
臨床試験に参加する患者はまた、将来の癌の治療方法を改善するのに役立ちます。臨床試験が効果的な新しい治療法につながらない場合でも、それらはしばしば重要な質問に答え、研究を前進させるのに役立ちます。
患者は、がん治療の開始前、開始中、または開始後に臨床試験に参加できます。
一部の臨床試験には、まだ治療を受けていない患者のみが含まれます。他の試験では、がんが改善されていない患者の治療法をテストしています。がんの再発を防ぐ（再発する）、またはがん治療の副作用を減らすための新しい方法をテストする臨床試験もあります。
臨床試験は国の多くの地域で行われています。NCIがサポートする臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索Webページにあります。他の組織によってサポートされている臨床試験は、ClinicalTrials.govWebサイトで見つけることができます。
フォローアップテストが必要になる場合があります。
がんを診断したり、がんの病期を調べたりするために行われた検査のいくつかは繰り返される場合があります。治療がどの程度うまく機能しているかを確認するために、いくつかのテストが繰り返されます。治療を継続するか、変更するか、中止するかについての決定は、これらの検査の結果に基づく場合があります。
一部の検査は、治療終了後も随時実施されます。これらの検査の結果は、あなたの状態が変化したかどうか、または癌が再発したかどうか（戻ってきたかどうか）を示すことができます。これらのテストは、フォローアップテストまたはチェックアップと呼ばれることもあります。
性腺外胚細胞腫瘍の初期治療後、AFPおよびその他の腫瘍マーカーの血中濃度を引き続きチェックして、治療がどの程度うまく機能しているかを調べます。
性腺外胚細胞腫瘍の治療選択肢
このセクションで
- 良性奇形腫
- セミノーマ
- 非セミノーマ
- 再発性または難治性の性腺外胚細胞腫瘍
以下にリストされている治療については、治療オプションの概要のセクションを参照してください。
良性奇形腫
良性奇形腫の治療は手術です。
臨床試験検索を使用して、患者を受け入れているNCIがサポートする癌の臨床試験を見つけます。がんの種類、患者の年齢、および試験が行われている場所に基づいて試験を検索できます。臨床試験に関する一般的な情報も利用できます。
セミノーマ
セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍の治療には、以下が含まれる場合があります。
- ある領域の小さな腫瘍に対する放射線療法と、その後の治療後に腫瘍が残っているかどうかの注意深い経過観察。
- より大きな腫瘍または拡大した腫瘍に対する化学療法。化学療法後に3cm未満の腫瘍が残っている場合は、注意深い経過観察が続きます。治療後に大きな腫瘍が残っている場合は、手術または注意深い経過観察が続きます。
臨床試験検索を使用して、患者を受け入れているNCIがサポートする癌の臨床試験を見つけます。がんの種類、患者の年齢、および試験が行われている場所に基づいて試験を検索できます。臨床試験に関する一般的な情報も利用できます。
非セミノーマ
非セミノーマ性腺外胚細胞腫瘍の治療には、以下が含まれる場合があります。
- 化学療法とその後の手術を組み合わせて、残っている腫瘍をすべて取り除きます。
- 新しい治療法の臨床試験。
臨床試験検索を使用して、患者を受け入れているNCIがサポートする癌の臨床試験を見つけます。がんの種類、患者の年齢、および試験が行われている場所に基づいて試験を検索できます。臨床試験に関する一般的な情報も利用できます。
再発性または難治性の性腺外胚細胞腫瘍
再発性（治療後に再発）または難治性（治療中に改善しない）の性腺外胚細胞腫瘍の治療には、以下が含まれる場合があります。
- 化学療法。
- 幹細胞移植を伴う大量化学療法の臨床試験。
- 新しい治療法の臨床試験。
臨床試験検索を使用して、患者を受け入れているNCIがサポートする癌の臨床試験を見つけます。がんの種類、患者の年齢、および試験が行われている場所に基づいて試験を検索できます。臨床試験に関する一般的な情報も利用できます。
性腺外胚細胞腫瘍の詳細については
性腺外胚細胞腫瘍に関する国立がん研究所の詳細については、性腺外胚細胞腫瘍のホームページを参照してください。
国立がん研究所からの一般的ながん情報およびその他のリソースについては、以下を参照してください。
- がんについて
- 演出
- 化学療法とあなた：がん患者への支援
- 放射線療法とあなた：がん患者への支援
- がんへの対処
- がんについて医師に尋ねる質問
- 生存者と介護者のために
